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満を持して発表された任天堂の次世代ゲーム機「Nintendo Switch 2」まずは次世代を発表してくれた任天堂に感謝を述べたい。そして一体お前はどれだけ待たせたら気が済むんだと言いたい。
何せ次世代機の匂わせがあったのは去年の6月ごろ(確か…)で、それ以降はニンテンドーダイレクトがある度に「次世代機の情報はありません」というアナウンスがされていた。
そんなアナウンスを毎回するくらいならそもそも発表すんなよと誰もが思っただろう。そんな焦らしプレイが約一年続き、やっと…やっと発表された。
というわけで今回はこのNintendo Switch 2の情報についてできるだけ簡単にまとめるとともに、俺自身がどのように感じたのかを述べていきたいと思う。
すでに調べてる人はもう知ってると思うけどSwitchとSwitch2の違いをごく簡単にまとめておきます。それがこちら。
Switch | Switch2 |
6.2インチ 7.0インチ(有機EL) | 7.9インチ |
32GB | 256GB |
最大720p60fps(携帯モード) 最大1080p60fps(TVモード) | 最大1080p120fps(携帯モード) 最大4K60fps(TVモード) 最大1440p120fps(TVモード) |
SDR | HDR |
✕ | VRR(携帯モードのみ) |
✕ | Cボタン |
✕ | 外部カメラ対応 |
✕ | マウス操作 |
大きな変更点は
率直な感想は性能強化版Switch。例えるならDSからの3DS。やはり爆売れしたSwitchの形は大きく変わることはなかった。携帯機兼据え置き機でそこそこの性能というのが任天堂のゴール地点なのかもしれない。
個人的な不満点だったTVモードの最大解像度が1080pという弱点を克服。最大4K出力に対応しHDRとレイトレーシングにも対応しているため大体の人は満足のいくゲーム体験ができるのではないだろうか。
更に2025年に発売予定のメトロイドプライム4には4K60fpsのクオリティモードとフルHD120fpsのパフォーマンスモードが用意されているため、今後はゼルダの伝説などのファーストタイトルにも同様のオプションが用意される可能性もある。
既にSwitchで発売されているゼルダの伝説BotWとTotKのSwitch2版では、パフォーマンスが1080p30fpsから1440p60fps向上しているため、この先のファーストソフトは60fpsが標準になってくれるのではないかと期待させてくれる。
Switchは他社ハードより性能面で不満を感じていたが、この進化は極めて順当かつ手堅い。この先どのようなゲームを見せてくれるのかが楽しみだ。
現時点でSwitch2向けに移植されることが決定されているサードパーティのソフトが以下。
などなど、これらの映像がニンテンドーダイレクトにて紹介され、任天堂らしからぬラインナップにかなりの盛り上がりを見せていたが、その品質については少々不安が残る。
技術分析の情報を発信しているDigital Foundryによると、上記タイトルの紹介映像はいずれも1080p30fps〜60fpsだったとのこと。これはPS4版と同じで4K対応を謳う割にパフォーマンスは低め。これでDLSSを使用しているなら拍子抜けもいいところだが、そもそも携帯機に何を求めているんだって話ではある。
それにまだ発売前の段階なので何ひとつ断言はできない。あの映像が携帯モードなのかTVモードなのかも分からないし、本当に実機の映像なのかすら分からない。いざ製品版の仕上がりを見れば評価がひっくり返る可能性は全然ある。
個人的には最低でも1080p60fpsに対応してもらいたいところだが、ひとつだけ言えるのは過度な期待はNGだということ。
繰り返すけどSwitchの最大出力解像度は携帯モードで1080p120fps、TVモードでは4K60fpsとなっている。たったこれだけの情報であるにも関わらず
Switch2は4K60fpsに対応してるの!?
PS5終わったな、PCすらいらないじゃんwww
と、なぜか巷ではこんな人が出現しているらしいが一回冷静になって考えてみてほしい。仮にSwitch2がPS5と同等のパフォーマンスを実現しているとしたら5万円(他言語版7万円)で済んでいるわけがない。それはAAAタイトルの4K60fpsを実現したPS5Proが12万円で売られていることの意味を考えれば分かるはず。
これはあくまで「最大でこの解像度を出力できるよ」という話であって、全てのゲームが4K60fpsや1080p120fpsで動作するという話ではないことは留意しておくべきだ。
それに出力解像度が同じでもパフォーマンスは同じではないことはSwitchとPS4の世代で証明されている。SwitchとPS4はどちらも最大1080p60fpsに対応していたが発売されたゲームの画質は同じではなかった。
「解像度」が同じだからといって「画質」も同じとは限らない。例えばPCではどんなグラボを使っていようが4K出力は可能だが、性能によってテクスチャの品質やフレームレートに差が出たり、そもそもゲームが起動できなかったりする。だから「4K出力できる=必ずそのパフォーマンスで動く」というわけではない。
でも大丈夫。それでもSwitchがあの性能でもゼルダの伝説みたいな最高のゲームを生み出せている事実は変わらない。だから「Switch2はすごいんだ!」「PS5よりも高性能!」なんて誇張して振る舞わなくてもSwitch2は十分魅力的なゲーム機だから安心してほしい。
本体ストレージは256GBと最近のゲーム機にしてはかなり控えめ。昨今のゲームは50〜60GBは当然で規模の大きいタイトルは100GBを超えることも珍しくないが、それはPS5、Xbox、PCでの話。
以下の表はSwitchに発売されてきたソフトの容量。
マリオカートワールド | 23.4GB |
ドンキーコングバナンザ | 10.0GB |
ゼノブレイド | 13.7GB |
ゼノブレイド2 | 13.1GB |
ゼノブレイド3 | 14.3GB |
ゼノブレイドクロス | 13.5GB |
スマブラSP | 17.3GB |
ゼルダの伝説TotK | 16.3GB |
ゼルダの伝説BotW | 14.4GB |
ファイアーエムブレム風花雪月 | 11.5GB |
あつまれどうぶつの森 | 10.2GB |
ピクミン4 | 10.4GB |
スプラトゥーン3 | 9.6GB |
ポケモン剣盾 | 12.4GB |
ポケモンSV | 9.9GB |
ポケモンLEGENDSアルセウス | 6.1GB |
星のカービィディスカバリー | 5.7GB |
スーパーマリオオデッセイ | 5.6GB |
このようにファースト製のソフトはかなり容量が少ない。マリオオデッセイはたったの5GBだし、Switch2専用ソフトのドンキーコングバナンザは旧世代のソフトと大差ない。マリオカートワールドがメディアから”重量級”と称されていることからSwitch2のファースト製ソフトは25GBが上限と考えていいだろう。
本体容量256GBのうちOSに割かれる分を差し引くと実際に使用可能なのはおそらく200GB強。単純計算でもファースト製の重量級タイトルが8本は入る計算になる。当然、実際に使用する際はその全てが重量級になるとは考えられないのでゲームデータでストレージがひっ迫することはそうそう無いだろう。
しかしその一方でサードパーティのソフトは容量が格段に増える。以下はSwitch向けに発売されているサードパーティソフトの容量。
ウィッチャー3 | 36.8GB |
APEX LEGENDS | 31.5GB |
Fortnite | 15.0GB |
モンハンサンブレイク | 19.7GB |
FFX/X-2 HD Remaster | 26.9GB |
ドラゴンボールZカカロット | 22.6GB |
龍が如く極 | 22.9GB |
既に20GBを超えるタイトルも多く、Switch2で発売が決定しているサイバーパンク2077は64GBのゲームカードを使用することが発表されている。
更に今後は実質DL版のような扱いとなるキーカードでの発売も決まっており、ゲームカードに入りきらないような大規模なタイトルで使用することが予想されるため、今後そのようなタイトルが登場したときにこのストレージの少なさで本当に大丈夫なのかと不安の声が上がっているというわけだ。
とはいえそれはSwitch1での感覚の話。単純にストレージ32GBというやりくりの余地すらない仕様がうんこだっただけで、ストレージの全体容量が256GBならやりくりの余地はある。
だからSwitch版ウィッチャー3のように本体ストレージより大きいゲームが販売されるという意味不明な状況にはならないから安心してほしい。
それにストレージは多ければ多いほど良いってものじゃない。これに関しては収納と一緒。隙間があれば埋めたくなるのが人間のサガというもので、スペースがあれば必要不要を問わずものが増えて整理を怠ってしまう。
PS5Proの容量は2TBあるがよっぽどでもない限りこれを使い切れる人はいないと思うし、仮に埋まっていたとしてそのなかに遊んでいないゲームがインストールされているなら意味がない。それなら必要十分でいいよねって話。インストールするものを厳選すれば全く困ることはない。
俺の場合PS5やSwitchにインストールするゲームの分類は以下のようにしている。そしてこれをSwitch2のソフトと仮定して、どれくらいの容量になるのかを考えてみた。
インストールするのは大体この4種類。割と大きめのタイトルを例として選んだが、これらを合計しても157.3GB。200GB強の実容量から差し引いても残りは40GB強。現在のSwitchの本体ストレージ丸々一つ分より余る。
どうだろう。これなら256GBでもなんとかなる気がしてこないだろうか。足りないから買い足すのではなく、自分の使い方を見直すというのも時には必要だと俺は思う。だから一回立ち止まって自分は追加ストレージが必要な使い方をするのかどうか考えてみてほしい。
Cボタンとマウス操作はハッキリ言っていらない。マウス操作はまだ分かるけどCボタンは「これいる?」っていうのが率直な感想。フレンドとゲームやってて画面共有したいって思った場面とか一度たりとも無いし、わざわざ別売のカメラを買ってまで自分の顔写したい人っているんだろうか。
というかそもそも利用にオンライン加入必須っていう時点で現代に普及しまくってるスマホで無料で利用できるDiscordに負けてる。いまや子供でも当たり前のようにスマホを持ってるのにわざわざ有料のこっちを選ぶ理由が見つからない。
ジョイコンのマウスは初めこそ対応ソフトが出てくると思うけど、すぐに任天堂謹製ソフト以外では使われなくなる未来が見える。せいぜいTPSとFPSでエイム用に使われるくらいしかイメージできない。
あくまでも任天堂は玩具屋である以上単なる性能強化では許されず、新しいギミックを用意せざるを得なかったのかもしれない。
任天堂は発表前からずっと転売対策に力を入れると繰り返してきた。そして発表された販売形態と条件は以下。
発表された時点で転売目的の非ゲーマーは対策不可。起動時間やプレイ時間でふるいにかけるのはPS5の30周年モデルのときと同じ。PS5初動のつまずきはきちんと教訓として活かされている。
さらにはオンラインに累計1年以上加入という条件も課されているため、Switchユーザーの中でも対象者は更に絞られる。ソロゲーをちまちまやっていただけのライトユーザーや新規勢がふるい落とされるのは可哀想ではあるが、本当に必要な層に適正価格で届くのならその方がいい。
日本国内版の価格は49,980円。Switch有機ELの37,980円から考えればかなり頑張った価格だが、庶民ひいては子供がメインターゲットの娯楽品としてはやはり高い。これは性能対価格の話ではなく絶対的な金銭感覚の話。
しかし多言語版は69,980円と割高。あら不思議、日本版は超ーーー安…く感じる。いや高いんだけど相対的に見ると超安い。とはいえ確実にこちらが適正レートなので、任天堂は本当なら7万で売りたいけど自国を優遇して安めに設定しているのが分かる。つまり逆ザヤ、日本で売れれば売れるほど赤字。
しかも日本版は海外に転売されるのを防ぐためリージョンロックされているため日本でしか使えない。そのうえこの価格差なのだからあまりにも海外からの心象が悪い。あちらの任天堂の配信では「値段を下げろ」というコメントで大荒れしているらしいし、そんななか俺たち日本人は安く買えるぜウェーイwwwなんて俺はとても思えない。
例えるなら自分と仲のいい同期とお局の3人がいたとして、自分はお局に気に入られてるけど同期は嫌われてて「君(自分)には5万で売ってあげるけどお前(同期)は7万だよ」って目の前で言われてるような気まずさを感じる。素直に喜べないが、かと言って君も7万払ってねと言われたら高え。だから複雑。
間違いなく海外での販売台数は伸び悩むだろう。今やゲームの市場は日本だけではない。この日本優遇が裏目に出ないことを祈るばかりだ。
単純なスペックアップだけでも個人的にはかなり嬉しい。というのも俺が任天堂ソフトに求めているのはファースト作品の品質だからだ。
具体的にはゼルダ、ポケモン、カービィあたりの作品が目当てなので、サードのタイトルの品質が不安というのも俺にとっては何も問題はない。Switchを購入したのもスプラトゥーンに興味があったからだし、その後に購入したのも全てファーストタイトル。
FF7リメイクやエルデンリングなどサードの作品はPS5版の方がリッチな体験ができるのでそちらを買うようにしている。だからSwitch以外に遊ぶ選択肢のないゼルダがその性能によって30fpsでしか動かないというのが不満だったがそれもSwitch2によって解消された。
つまりSwitch2の真価はSwitch2でしか遊べないファーストタイトルをよりリッチに遊べるようになったこと。今後は任天堂ソフトも60fpsが標準化され、リッチな体験ができるようになってくれることを期待したい。
ゼルダの伝説の新作、ポケモンZ-AもしくはSwitch2独占の完全新作、そしてカービィのエアライダー。楽しみなタイトルはまだまだ生まれることだろう。次のニンテンドーダイレクトが楽しみだ。
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