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リモプ環境構築の旅、たぶん最終章。
【これまでの経緯】


耳聡い人ならもう知っているだろうけど知らない人のために簡単に説明しておくと、ROG Xbox ALLYはASUSから販売される携帯型ゲーミングPC(UMPC)の最新機。
念を押しておくけど、Xboxという名前がついているがコレはゲーム機ではなくPCだ。
Microsoft自身も「Xbox初の携帯ゲーム機」と謳っているから勘違いしやすいけれど、ROG Xbox ALLYは従来のROG ALLYやLenovoのLegion GoやMSIのClawと同じく、Windows11を搭載した携帯型のゲーミングPC。
だからROG XBOX ALLYはゲーム機じゃなくてPCです。
繰り返します
ROG Xbox ALLYはPCです
じゃあなんでXboxという名前がついているのか。その理由は単純でXboxの母体であるMicrosoftが開発に協力しているからなんですね〜
その最たるものが「Xbox Full Screen Experience」
これは簡単に言うと限りなくゲームに最適化されたWindowsで、ゲームに必要ないプロセスを省いてマシンを動かすため通常のWindowsに回していたリソースをゲームに分配できることで総合的な体験が向上するというからくりとなっている。
外観もコントローラーのグリップが追加され握り心地も向上しているなど、先代のROG ALLYから中身も外見も大幅なグレードアップを果たしている。
Windowsの開発元であるMicrosoftが開発に協力したからこそできたことであることは疑いようもないだろう。
でも
さっきも言った通りこのマシンはあくまでもWindows。同社のゲーム機であるXbox Series S/X向けに発売されているゲームがネイティブ動作するわけではない。
PC向けのゲーム達を遊ぶことはできても推奨スペックによっては思ったようなパフォーマンスにならないかもしれない。そこがゲーム機との大きな違いだろう。
それでもこの製品に「Xbox」の名前が使われているのはマーケティングの一環だろう。最近では「Xbox」という名前はプラットフォームではなく、総合的なサービスの名称になりつつあるのかなという印象。Fire TV Stickとかも対応してるしね。
で、その製品が

いや~~~~~~
いい…
何が良いって、この両手の中に全てが収まっているという感覚。
その「ロマン」
これに尽きる。
むしろそれ以外にないし、何ならこいつをメインPCにしてやろうかって思っているくらいではある。
分かってる。どう考えても合理的な判断じゃない。排熱が命のPCで小型の本体は排熱機構が貧弱だし、こういった製品は方々で「やめとけ」と囁かれているのは知ってる。
だけどそこにシビれる! あこがれるゥ!
この小さなマシンに全てが詰まっているという感覚。かつて俺たちがiPhoneを初めて手にしたときのような衝撃をもう一度味わいたい。
それだけなんだ。
というかお前はなんでそもそもUMPCが欲しいんだと、数ある選択肢の中からどうしてそれを選ぼうとしているのかと、PC好きの方々にいろいろ突っ込みを入れられそうではあるんやけど一応ちゃん理由があるんです。
というのもですね、俺も一応デスクトップのゲーミングPCを持ってるんですけどほとんど使ってません。
それまでまともなPCを持ってなかったっていうのと単純に興味があって買ったはいいんやけど、俺は基本的にゲームはゲーム機で遊ぶからPCでゲームやらんし、記録用としてたまーに配信するくらいの使い道しかなかったんよね。
で、その役目もすっかりサブPCだったM1 MacBook Airに取られてしまって、今じゃこっちがメインPCになってしまっているって状況。
本当にね、最近のノートPCは進化しすぎ
デスクトップのメリットって安定性とかカスタマイズ性とか色々あるけど、俺にとっての一番のメリットは拡張性だったんよ。
でもそれもThunderbolt端子があればノートPCでもUSB端子の拡張、充電から映像出力までできてしまう。なんならハブを噛ませればたった一本のケーブルでそれができてしまうからデスクトップよりも利便性が高いまである。
最近じゃRTX4050を搭載したノートパソコンが15万以下で売られてるくらいだし、軽いし持ち運べるのに使用感がさほど変わらないならみんなノートPC使うよねって話。
RTX4050はモンハンワイルズを
・フルHD低設定
・DLSS
・フレーム生成あり
で、120fps出せるポテンシャルがあります。
【参考】
そんなわけで拡張性というメリットを失ったデスクトップはとにかくデカいし重いし邪魔だから、なんとか早く処分したいと苦心しているってワケ。
でももちろん拡張性以外のメリットがあることは理解はしていて、特にパーツ交換に関しては間違いなくデスクトップPCにしかできないことだし、俺もそこに惹かれてデスクトップを購入した一人ではあるんやけど…
それって一体どれだけの人がやるの?
たとえば購入から5〜6年経って性能不足を感じたとして、グラボを変えて場合によっては電源も変えて、CPUを変えるならソケットの形状も変わってるだろうからマザーボードも変えて、マザーボードを変えたらOSからインストールしなきゃいけないし…
そうこうしているうちに
買ったほうが早いんじゃね…?
ってくらいの金額と手間がかかるんよ。
これは俺がその手間に見合ったヘビーな使い方をしてないってのもあるんだけど、少なくとも俺みたいな強いこだわりのない人間にとってパーツ換装の可否は大したメリットにはならなかった。
それに俺はパーツ単位で新しくするくらいなら全部売ってそれを元手に新しいの買った方がいいと思う人間なのも大きいと思う。
だから俺の結論としてはデスクトップは一部のマニア向けであるというものになります。性能を求めるガチガチのゲーマーくらいにしか明確はメリットはないのかなと自分で使ってみて改めて思いました。
現にアキバのヨドバシカメラなんかはPCコーナーの8割はノートパソコンだしね。このことからもデスクトップは既に少数派であるというのはほぼ間違いないのかなと思います。
だったらノートPCでいいじゃないか、なんでわざわざ小さいUMPCを選ぶ必要があるんだって言いたい気持ちはすごく分かるんやけど、ちゃんとした理由があるから一旦説明させてほしい。
というのもですね、そもそもこの話はPS5のリモート環境を構築したいという所から始まっていまして、PS5をソファーでリラックスしながら、布団の上で寝転がりながら自由な姿勢で遊びたいと常々思っていたんですよね。
であるならばPS Portalを購入するのが最適解ではあるんやけど、物を出来る限り増やしたくないという思いが根底にあるからリモートプレイにしか使えない専用機を買うことで管理する物が増えてしまうのは極力避けたかったんよ。
結果、汎用性のあるスマートフォンを応用することでPSリモートプレイを利用したいと意気込んでスマホ用コントローラーを購入したんやけど…
全然使ってません
なんでなのか、もう結論から先に言いましょう。
スマホでのリモプはゴミだからです。
復唱してください
スマホでのリモプはゴミです
その理由は2つ
よくよく考えてみれば俺たち現代人にとってスマホは生活必需品なんよ。
スマホはあらゆる用途をたった一台でこなせてしまう万能で最強のデバイスであるが故に、俺含めた現代人は全員もれなくスマホ依存症です。
だから俺たちは電車の中だろうと病院の待ち時間だろうとトイレで踏ん張っている時であろうと、暇さえあればスマホを触っていたいはずTwitterを見たいはずとにかくスマホで何かをしていたいはず。例外はない。
想像してみてください。家のテレビでモニターでゲームしてるときのロード中とかオンラインのマッチングを待つ間とかちょっと疲れたなってポーズ画面にしてる時とか
あなたは一体何してますか?
スマホ、見てますよね?
Twitter?漫画の続き?それとも攻略情報?なんでもいいです。それを踏まえてもっかい想像してみてください。
スマホでリモプしながらのロード画面、オンラインのマッチング待ち、行き詰まって攻略を見たい。LINEが来たから返信したい。
その度にゲームを中断するんですかって話
ものによってはバックグラウンドで実行できるとはいえ、わざわざスマホを縦に持ちかえてまでやりますか?
しないよね。というかしたくないよね。
だって画面を行き来するのって面倒くさいもん。
そんな体の一部といって差し支えないデバイスが「ゲーム」という一つの目的で占領されてしまうことは、その他全てに影響を及ぼすといっても過言ではないのよ。
じゃあサブのスマホ買ってしまえばその問題全部解決するやんって思い立ってXiaomiの格安スマホ(6.8インチ)を購入したんやけど、ここでようやくスマホでのゲーム体験がゴミであることにようやく気付いたんですね。
というのも、スマホではアスペクト比の関係でどう足掻いても満足のいく体験はできないんです。これこそがスマホでのリモプがゴミである最大の理由なんです。
アスペクト比っていうのは簡単に言うと長方形の縦と横の比率のことで、スマホのディスプレイは20:9で作られているんやけどゲームの映像はテレビとかモニターと同じ16:9で作られてるから、スマホでプレイする限り画面の両端には必ず黒帯が表示されてしまうんです。
スマホも大型化が進んではいるもののアスペクト比は20:9のままだから、インチ数が上がったところで比率は変わらないからどうしても縦に伸びるばかりで黒帯からは逃げられないうえ、たいして大きくなった感覚も得られない。
6.8インチのスマホでもこのザマなので、スマホでのリモートプレイには人権がないといってもいい。ただでさえ小さい画面をさらに狭めることになるからスマホでのリモプ体験の向上には限界があるんだ。
そんなこんなでスマホはあきらめて16:9ディスプレイを搭載したリモプ用デバイスを探すことにした。
真っ先に浮かんだのはPS Portalだったんだけど、さっきも話したようにそれ専用の端末としては使いたくないという気持ちが強いので、どうにかこうにかPS5のリモートプレイにもう一つ付加価値を持たせたいと思案していた。
そこで白羽の矢が立ったのがXboxのクラウドゲーミングだったんだ。デバイスを問わずゲームが遊べるサービス、これを利用しない手はない。
PS5のリモートプレイとクラウドゲーミングができて、16:9のディスプレイを搭載したデバイス
そうだ、これこそが俺が真に求めていたリモプ環境だったんだ。
こうして俺はこの環境を手に入れるためにUMPC探しを始めることにした。
そんなこんなでUMPCに目をつけたわけなんやけど、ざっくり調べた感じ大きく分けてWindowsとAndroidの二種類があることが分かった。
Windowsなら
とかが人気ありそうだった。知名度も上から順だと思う。Steam DeckはWindowsじゃないんやけどどっちかというとPC寄りなのでこっちに入れさせてもらった。
価格は安い順にだいたい8万→10万→15万といったところで、高額ではあるもののPCであることを考えると割と妥当だと思う。
一方Androidはというと「AYANEO」一強といった印象。このメーカーは前に電気屋で見かけてかっけぇ~って思ってたから覚えてたけど実際名前が知れているのはこれくらいで、あとは有象無象の謎の中華製品が市場を埋め尽くしている。
Androidだから安いのかな~なんて思ってたんだけど「AYANEO Pocket S2」や「AYANEO Pocket EVO」なんかは平気で8万、10万とかなりいいお値段する。Androidなのに。
PCほどの汎用性も持ち合わせていないのにほぼ同じ価格なのはやばくねぇ…?
ただこっちにも褒められる点はあって、省電力性に優れているとか、端末のサイズが小型とか、薄型でスタイリッシュとか、前面がガラスで高級感があるとか、所有欲を満たせるという点ではかなり良い製品なのかなと思った。
でも高い。要はAndroidのスマホと中身は一緒なわけで、できる事ってPCほど多くない。しかも俺の想定してる用途はリモプ、それで8万~10万は高すぎる。
図らずもリモプをするというその一点において、品質価格ともにPS Portalの右に出る者はいないのだと思い知らされることとなったが俺はもうそこには戻れない。
まともな品質を担保しなから選ぶとなると両者の価格帯はほぼ同じ。アンドロイドは結局リモプ専用機にしかならないのならば、狙うべきはWindowes搭載UMPCとなる。
そんでさっき並べたWindowsのUMPC達についてざっと調べてみて実際に触れるものは電気屋に行って試してみたんだけど、どいつもこいつも癖強すぎ。(価格は10/2価格コム調べ)
各社UMPCを触ってみての第一印象
— 横須賀凛/【GAME&LIFE】 (@RinYokosuka) October 3, 2025
【Legion Go】
デカい重い
ボタン多すぎ
UIがごみ
【ROG ALLY】
グリップ感がごみ
UIは超使いやすい
【Claw A1M】
Steam Deckの次に持ちやすい
別に悪くないのに一番パッとしない子
【Steam Deck】
超持ちやすい
デカいのに軽い
OLEDが超綺麗
Steam OS超使いやすい
特に「Legion Go(10万)」はやばい。こいつは携帯機を謳ってるくせにデカすぎ。その重さなんと854g、ちなみに今度発売される二代目は920gらしい。携帯機とはって話よ、アホすぎ。
そうじゃなてもUMPCはバッテリーもちが非常に悪いという問題を抱えている。Legion Goだけじゃなくてここで取り上げたいずれにおいてもそれは同じ。
それぞれのレビューを見た感じAAAタイトルはプレイできて1〜2時間程だとか。俺の場合はリモプ目的だから省電力モードにすればいくらかマシだと思うけど不安は拭えない。
電力を必要とするWindowsを積んでいることと小型筐体に詰め込めるバッテリーの大きさが制限されているから当然っちゃ当然だけど、携帯機としてそれは心許ない。
正直いってAndroidベースのUMPCの方が「携帯デバイス」として優れているのは間違いない。省電力性や小型でスタイリッシュなデザインは、現在のWindows搭載のUMPCには真似できるものじゃないと思う。
しかしこの市場はまだ黎明期といっていい。2022年に発売されたSteam Deckを皮切りに様々な製品が投入されていて、各社ともにまだ二世代目が投入され始めた段階。
つまり、まだまだこれからというわけだ。
そんなわけで、WindowsのUMPCを買うにはまだまだ時期尚早ではないかという結論が俺の中で出たから、もう諦めてPS Portalを購入してしまおうと思っていた矢先…Xboxからある発表があった。
そう、ここでようやく登場となります。ROG Xbox ALLYです。
ROG ALLYの第二世代でありMicrosoftとタッグを組んで改良を重ねた新型には二つのモデルが用意されている。
省電力特化の「ROG Xbox ALLY」¥89,800
性能特化の「ROG Xbox ALLY X」¥139,800
見たまんまコントローラーだから持ち心地の良さは疑いようもないし、UMPCの課題であったバッテリー持ちの悪さに向き合った設計だから携帯性も多いに期待できそう。
しかもゲーム用に最適化されたOSを積んでいるから電源オン即プレイというゲーム機ライクな使い方ができるうえ、お値段は9万とUMPCとしては割と妥当。
俺の用途はPSリモートプレイとXboxクラウドゲーミングだし、どちらも本体の性能に影響されない用途ならば省電力特化のモデルこそが俺には合うんじゃないだろうか。
目の前の霧が晴れたように見えた。俺が本当に買うべきデバイスがようやく見つかった。そんな開放感に満ちていた。
早速予約をしようと思ったらその時、俺の中にひとつの野望が芽生えてしまった
これ、メインPCにできねぇかな…
冒頭でも話した通りデスクトップはもはや不要、デカくて邪魔だから早く何とかしたいと思っていた。今のメインPCはM1 MacBook Air、5年前のマシンで何ひとつ不満なく使えている。
しかも軽く調べたところ、上位モデルに搭載されるRyzen Z2 ExtremeはM1チップを超えているらしいじゃないか。ならばPCとしての存在とリモプという目的を統合することで、省スペースかつ最高に効率のいい体験が得られるんじゃないか?
そう、あのNintendo Switchのように…
ROG Xbox ALLYの定位置はPCデスクのドッキングステーション。パソコンとして使うときはモニターに画面出力。手元でゲームを遊びたいときはケーブルを抜いてプレイ。小型筐体だから売却する時が来たとしても梱包が簡単。
やるしかねぇ…!
ということで、私はROG Xbox ALLY Xを買わせていただきます。
とは言ったものの、発売前の予約はしないつもりでいます。
まだ実際の使用感、特にバッテリー持ちに関しては未知の部分が大きいから、ガジェットレビュワーたちが発信する情報を集めながら
デスクトップを手放してPCと携帯ゲーム機をUMPCに統合するのか
デスクトップを残して携帯ゲーム機として扱うのか
それを見極めたいと思う。
それにしても…まさかPCでNintendo Switchのような使い方ができる日が来るとは思ってなかったよね。いやまだ来ると決まったわけじゃないけどさ…でも実際そういう使い方をしてる人は少ないけどいるみたいだし。
でも、そんなまだ見ぬ体験を求める心こそが「ロマン」ってやつなのかもしれないね。
小さな本体に詰まった無数の技術と心くすぐるガジェット。ハイエンドグラボとか、パフォーマンスを追い求めることだけが全てじゃないんだと実感したよ。
発売が楽しみだ。
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