➤評価別
➤ハード別

2013年にノーティードッグからPS3に発売された「The Last of Us」ただのパニックホラーにとどまらないその高いストーリー性は多くの反響を呼び、瞬く間に名作と呼ばれるようになった伝説的作品だ。
2014にはPS4向けにリマスターされフルHD60fpsに対応。完全版として長らくユーザーに愛されてきたが、2022年9月2日に最新機種であるPS5向けにフルリメイクされた「The Last of Us Part1」が発売された。
PS4版を数年前にプレイしたばかりなので新たに購入してまで…という気持ちだったが、PSエクストラのゲームカタログにあったので遊んでみる事にした。
というわけで今回は伝説的作品のリメイクである「The Last of Us Part1」をレビューしていきたいと思う。
何回擦るんだよ…。
そう、何せこれは3回目だ。オリジナル版そしてリマスター版ときて一体誰が更にリメイクされると思っただろうか。
だがそれは裏を返せばそれだけ愛されている作品だという事。実際その評価も恐ろしく高く誰もが口を揃える名作と呼んで差し支えない。
そんな作品が令和の最新技術でリメイクされPS5に登場したのだ。もともと90点、100点の作品に更に磨きがかかり120点、150点になるのなら喜ばしい限り。
ストーリーやゲームシステムの変更は一切ないが、細かな調整が施され現行のゲームと遜色ないレベルに洗練されたものへと生まれ変わっている。
ゲーム全体のグラフィックが劇的に向上したのは言うまでもないが、特に変わったのはキャラクターモデル。発売してすぐは、テスやエリーがブスになったなんて声もあったけど俺は全くそうは思わない。
オリジナル版はある意味ゲームのキャラクターらしさがあったが、写実的になったおかげでその感覚が薄くなりゲームではなく確かにそこに存在する一人の人物だと思える程に進化しているため、俺はむしろこっちのほうがリアルで好きだしエリーも以前より年相応に見える。
ポリコレとか何とか言われてたけど過剰反応しすぎだと思う。ちょっと落ち着いて欲しい。
HPゲージや武器スロット、物資などのUIがPart2と同じ仕様に変更されている。武器改造もPart2と同じくモーションが追加されたため銃器が好きな人にはたまらないだろう。
項目が多すぎて何が何だかって感じだけど、ざっくり言うと何でもある。なんか不便だなぁ…と思ったものは大抵調整できるのでユーザビリティが死ぬほど高い。
視覚や聴覚に障害を抱えている方や、指の動きなどに障害を抱えている方向けのプリセットも用意されているので、幅広い方に楽しんでもらえるようにという配慮が素晴らしかった。
実写やん
これ何回言うんだろうね。俺PS4でやった時も言った気がするよ。でもある意味幸せだよね。これからも言わせてほしい。
もう異次元レベルにグラが綺麗。キャラクターのモデルも一新されて没入感も向上したし、まさに触れる映画。そこにあるもう一つの現実と言ってもいいだろう。
デス・ストランディングとかもそうだけど、こういうフォトリアルのゲームは映像がリアルになればなるほど、モーションキャプチャ元の俳優の演技がモロに伝わってくるのでグラフィック向上の恩恵が凄さまじい。
PS5コントローラーの演出ってぶっちゃけあってもなくてもいいじゃんって思う時あるし煩わしいからオフにしてるって人もたまに見かけるんだけど、こういう没入感を大事にするゲームにおいて繊細な振動やトリガーの抵抗は圧倒的な効果を発揮する。
特に対人間の銃撃戦はアダプティブトリガーの本領。やはりトリガーから得られる感覚は素晴らしいし、これがあるのと無いとでは銃を撃っているという感覚に雲泥の差がある。
特に狙撃のシーンではライフルの重いトリガーが堪らない。プレイヤーのコントローラーを握る手にも思わず力が入りその緊張感を感じさせてくれる。
いうまでもなく本作を名作たらしめている最大の理由はそのストーリー。
人間の綺麗なところも汚いところも包み隠さず、全てをひっくるめて直球で描かれる等身大の人間ドラマは多くの大人たちのハートを貫いた。
謎の感染菌によるパンデミックによって娘を亡くした中年男性ジョエルが紆余曲折を経てエリーと出会い、過酷な終末世界を旅していくなかで親子のような絆と信頼関係を築いていく。
徐々に変わっていく二人の関係性とその過程が丁寧に丁寧に描写されていき、最終的にジョエルの下す決断にはおそらく誰もが共感した事だろう。
当然のことだがこのような世界で生きるためには手段を選んではいられない。物語の中で出会ったハンター達やデヴィッドは物資を得るために人の命を奪い、時には人間の肉すら食料にして生き延びてきた。
プレイヤーは当然「そんなイカれたことを」と思うだろうが、そういった後ろ暗い事をしてきたのはプレイヤーの分身であるジョエルも例外ではない。ピッツバーグの街でハンターの襲撃を即座に見抜けたのも、エリーに同じような事をしたのかと問われて答えを濁したのもそれを表している。
どんな行いも立つ側によって善と悪は簡単に入れ替わってしまう。本来善悪とは相対的なものだということを思い知らされる。その最たるものがこの旅の終わりで描かれる究極の二択。
かつて娘を奪った感染菌のパンデミックを終息し得るワクチンを作るためにエリーを犠牲にするのか、多くの犠牲を払ってもエリーの命を守るのか。その二択がプレイヤーに委ねられることはなかったが、ジョエルが下した決断に疑問を持ったプレイヤーは恐らくいないだろう。
ジョエルがファイアフライの病院で行った大虐殺も決して正しいことではなかった。だがここまでエリーと共に旅をしてきたプレイヤーなら、ジョエルのとった行動にどうしようもなく共感できたのではないだろうか。
まあここまで批判する点のない作品はそうない。ストーリーの完成度は言うまでもないし、アクションも生々しくて緊張感がある。探索によって物資が得られる代わりに敵との遭遇リスクが高まるという飴と鞭のバランスも絶妙。
もともと極めて完成度の高い作品だったが、そのグラフィックをPS5のなかでも最高クラスまで引き上げられており、映像品質の向上と洗練されたUIによって没入感は極限まで高められている。
まさにPS5の世代を代表する一作に仕上がっているといっても過言ではないだろう。
とはいえリメイクにあまり必要性を感じていないのも本音。というのも俺としてはPS4のリマスター版でラスアス1は完成したと思っているからだ。
このリメイクで変わったところといえばグラフィックとUIをPS5向けに作り直したくらいで、ストーリーやアクションといったゲームプレイには全く変更はない。もちろんその労力を軽んじているわけではないが、黙っていればリマスターと言われてもバレないのではないかと思ってしまうほどゲームとして変化がないのも事実。
Part2にあったホフク、落下キル、回避ステップといった要素が逆輸入されていたならプレイに変化が生まれていただろうがそういった変更もない。タイトルをPart2に合わせてPart1と名付けることでシリーズものとしての統一感は出たものの、果たしてユーザーがそこにフルプライスの金額をかける価値があるかと聞かれると俺は無いと思う。
なにせPS5版が8,690円なのに対してPS4版はたったの2,189円。約4倍近い価格差があるのに変わったのはグラフィックとUIだけ。既プレイかつ内容に変更がないとなると一気に購買意欲は薄れる。実際俺もゲームカタログに配信されてなければこのリメイク版を遊ぶことはなかっただろう。
念を押しておくけど決してPS5版がダメというわけではない。グラフィックなんて良くなるに越した事はないが、だからといってPS4版がつまらなかったとかグラフィックがゴミだったというわけでもない。
グラフィックとUIの一新、そこに約4倍近い価格差があるという現実を見ると「そのくらいの違いならPS4版でよくね?」とは思ってしまう。
名作と呼ばれる映画は30〜40年前から存在している。バックトゥザフューチャー、ターミネーター、タイタニック、ブレードランナー、大脱走。アニメならジブリはもちろんガンダム、アキラ、攻殻機動隊などなど。
時代を超えて愛される何度見ても面白い名作。ラストオブアスはゲーム界におけるそのポジションだと思う。少々大袈裟にも聞こえるが、こんなにもプレイヤーの心理に訴えかける作品がこれまでどれだけあっただろうか。
昨今ゲームをプレイしないで誰かの実況動画を見て済ませてしまう人が増えているなか、実際にプレイしないと伝わらない魅力を秘めたこのゲームは、そう言った風潮へのアンチテーゼともいえる。
ゲームはプレイしてなんぼ。
映画的になってムービーが増えたことで、YouTubeで物語が把握できる時代になっても、実際にコントローラーを握って画面の前に座らないと得られない栄養がゲームにはあるんだと再確認させてくれた。
最高のゲームだったと胸を張って言える。
ありがとうノーティドッグ。ありがとうSIE。
この記事が気に入ったら
フォローしてね!