【「DISSDIA FINAL FANTASY NT」レビュー】圧倒的コレジャナイ感。戦う理由が無い。

総合評価
( 1 )
概要
  • 2018年1月11日発売
  • アーケードゲームの移植作
  • PSPにてモンスターハンターに次ぐ大ヒットを飛ばしたディシディアシリーズの続編

ディシディアFFは当時俺もどハマりしていた大好きな作品だったので続編が出ると聞いて遊びたかったのだが、プレイ毎に料金が発生するアーケードゲームが苦手な俺からすると縁遠い存在だった。

それが家庭用ゲーム機で発売されるとなればやらない理由はない。大きな期待を胸にプレイしたんだけど先に結論から言うと旧作ファンは絶対に買わない方がいいと思える作品だった。

なぜそう思ったのかを解説していく。

目次

旧作から9割変わってしまった作品

断言する。このゲームは単にディシディアの名前がついただけの別ゲーだ。残っているのはその名前とブレイブ攻撃の概念くらいで、かつて俺たちが愛したあのディシディアはもうここには無い。

対人戦に特化したために起こった悲劇とでも言うべきか、旧作の面白かった部分が軒並み消えているため旧作が好きだった人の多くはこの作品に満足することはできないだろう。

アーケードゲームとしての良し悪しはPvPが苦手な俺にはよく分からないのだが、これを独立した一本のFFお祭りゲーとして見るととても満足のいく体験ができるゲームではない。

評価点

グラフィックが綺麗

過去作のFFキャラが3D化される機会ってなかなかない。純粋にPSP以来なのでPS4のグラフィックで生まれ変わったキャラクター達はかなり綺麗で魅力的。

俺の世代ぶっ刺さりのFF8、9のスコールとジタンがこのグラフィックで見られたのはとても嬉しい。もしもこの先リメイクされたら…なんて妄想が膨らむ。

クロスオーバーの物語

それこそがお祭りゲーの目玉。時代を超えたキャラクター達が集ってそのやりとりを見られるのはそれだけで価値がある。

ティーダとジェクト、ジタンとクジャなど、かつては敵として戦った者たちが共闘するするのは胸が熱くなる。

問題点

オフライン要素がゴミ

とはいえそのストーリーを見るための手段がダルすぎ。本作のストーリーは「メモリア」というアイテムを消費して解放されていくのだが、これはオフライン又はオンラインでバトルすることでプレイヤーレベルが上昇すると入手できる。

ストーリーの全開放に必要なメモリアの数は30個。つまりプレイヤーレベルを30まで上げないといけないんだけどこのレベルが全然上がらない。最初のうちは2〜3勝すればレベルが上がるけど必要な経験値はどんどん増えるから次第に上がりにくくなる。

しかも解放されるのは殆ど2〜3分の短編ムービーばかり。前作のように各キャラクターにフォーカスを当てて物語が展開されたりフィールドマップを歩けたりすることもなく、ごく短いムービーを順番に解放していくだけ。これが30個。

これがオフライン要素の全て。あまりにもお粗末で薄味。この事から分かるように本作のストーリーはあくまでバトルのおまけでしかないのだ。

肝心のアクションが全く気持ち良くない

数少ないとはいえ前作から続く物語だしせっかくなら全部見たいと思うのが人のサガ。だから頑張ってバトルを重ねてメモリアを集めようとするんだけど本作のアクションは全っっっ然面白くない。

THEもっさりアクション。これが本当にあのチームニンジャなのかと疑いたくなるレベル。

旧ディシディアの魅力だった空中をビュンビュン飛び回るスピーディな攻防は完全に失われた。移動、ダッシュ、攻撃、回避、どの動きもスピード感のカケラもないからプレイしてて眠くなる。

ブレイブブレイクした時のピシャーンっていうSEも演出も無いから、ブレイクしてるのかパッと見で分かりにくいし何よりも全然気持ちよくない。

他、旧作からの変更点もとい問題点が多数。

攻撃アビリティが固定

色々な技をセットして自分好みにカスタマイズできた旧作とは打って変わって、キャラごとに固定されたアクションに変更された。

元がアーケード作品なので操作感を統一するためには仕方ない事だが、カスタマイズする楽しさがあった前作からのコレは流石に受け入れられない。

セットできるHP攻撃は1つだけ

旧作ではHP攻撃を地上と空中でそれぞれ3つずつ装備することができたが今作では地上空中共通で1つだけ。しかもブレイブ攻撃から派生するHP攻撃も廃止されたため攻撃のバリエーションが著しく減少した。

ガードの仕様も変更されたので敵に隙を生み出す方法が壁激突や仲間との連携以外に無いためHP攻撃がかなり当てにくい。基本的に仲間との連携が前提なのでソロプレイヤーにはキツすぎる仕様。

面白みのない召喚獣

前作の召喚獣は種類が豊富でその効果も様々だった。

  • 自身のブレイブを1.5倍にする
  • 自身のブレイブを固定する
  • 相手のブレイブをコピーする
  • 一定時間後に相手とブレイブを入れ替える

などなどバリエーションに富んでおり、発動のタイミングによっては戦況を大きく変えることもできたり、効果発動までの猶予時間をどう立ち回るか考えたりするのが面白いポイントだった。

それがどうしたことか本作の召喚獣は全部でたったの7種。それぞれの効果も戦略性を失いフィールドで暴れる第4の仲間ポジションに変更された。

いずれにおいても強力なブレイブ削りと相手への妨害という大差ない仕様で、召喚したもん勝ちのフィールドギミックに成り下がってしまった。

EXバーストの削除

キャラゲーの要ともいうべき必殺技の消滅。

キャラゲーなんて派手な演出あってこそだろうに…。

オンライン対戦でマッチングしない

よっぽど過疎ってるのか初心者帯がいないのか知らないけどオンラインで対人戦ができない。一応上位帯では現在もマッチするらしいけどビギナークラスは5〜6分程待たされて結局自分以外全員COMなんてザラ。

それならオフラインでやるのと何も変わらないから、結局のところメモリアを手に入れるためにはひたすらCOMと戦い続けなければならないという苦行を強いられる。

そもそも3on3が微妙

主なルールはパーティの残機を減らした方が勝ちというFF版エクバで、旧作からあまりにもゲーム性が変わりすぎてついていけなかった。

そもそもの話3on3自体が微妙。チーム戦だから仕方ないとはいえ目の前の敵と戦っているのに他の敵に横槍を入れられるのがかなりストレス。そこにも気を配れと言われたらそれまでだけど旧ディシディアのような一対一の真剣勝負が好きな俺には無理だった。

結局のところ正攻法だとまともに隙も作れないしHP攻撃も当てられないから、真っ向勝負を避けつつ仲間が戦っているところに加わって二対一の状況を作ってボコるというリンチの押し付け合いになる。全然面白くない。

戦う理由なんてねぇよ

薄すぎるオフライン要素と全く楽しくないバトル、それがこのゲームの全て。であるにも関わらずパケの裏にデカデカと書かれた「戦わない理由を探すな」というキャッチコピー。

戦う理由?そんなもんねぇよ

この惨状はアーケード化に伴う大幅なゲームデザインの変更が原因であると言わざるを得ない。肝心の戦闘システムが「ディシディア」の名前を冠しておきながら旧作ファンを置き去りにしすぎているし、プレイヤーのモチベになり得るオフライン要素も限りなく薄い。

少なくとも旧作のユーザーがターゲットではないのは分かるのだが、ここまで大幅な路線変更をするならば完全新規でタイトルをつけてもらいたかった。よりにもよって評価の高かったディシディアを持ってきてしまったことで、FFのお祭りコンテンツが今後再び登場する機会が失われてしまう可能性があることが残念でならない。

主戦場だったアーケードは既に撤退。今や数少ない上位勢のみがオンラインを楽しんでいるだけで、初心者はオンラインオフラインを問わずCOMとの戦いを強いられるという初見さん断りの空気が漂っている時点でコンテンツとして死んだも同然。

ひょっとしたら「ガーランド(CV:津田健次郎)」になっていたかもしれないし、あの面々の中にクライヴが参加する未来もあったかもしれない。だがそれは限りなく望み薄だろう。もし万が一発売されるならきちんとオフラインの要素を作り込んで、なぜ旧作があれだけ売れたのかをよく考えてもらいたい。

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