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2017年にNintendo Switchが発売されて6年が経ち、7年目を迎えても未だ勢いは衰えず2023年が終わろうとしている。
セオリー通りならSwitchもそろそろ世代交代の時期なのだが未だ任天堂の次世代機は発表される様子もなく、それどころかSwitchの新タイトルの発売告知がある状況だ。
他社ゲームメーカーはPS5やXbox sirese Xといった次世代機へ世代交代し、世間ではSwitchのスペック不足が囁かれるなか任天堂が未だSwitchで戦い続けられる理由とは何なのか考察していきたいと思う。
まずはゲームハードの世代交代サイクルについて確認しておこう。例として任天堂とSONYのゲームハードの発売年と発売間隔をまとめたものがこちら。
発売日 | 間隔 | |
ファミコン | 1983/7/15 | |
スーパーファミコン | 1990/11/21 | 7年 |
64 | 1996/6/22 | 6年 |
ゲームキューブ | 2001/9/19 | 5年 |
Wii | 2006/11/19 | 5年 |
Wii U | 2012/11/13 | 6年 |
Switch | 2017/3/3 | 5年 |
次世代機 | 2024? | 7年 |
発売日 | 間隔 | |
PS1 | 1994/12/3 | |
PS2 | 2000/3/4 | 6年 |
PS3 | 2006/11/11 | 6年 |
PS4 | 2013/11/15 | 7年 |
PS5 | 2020/11/12 | 7年 |
次世代機 | 2027? | 7年 |
ゲームハードが世代交代する間隔はだいたい同じで、いずれも5〜7年で次世代機へ移行しており、2024年の3月にSwitchは8年目に突入する。
前例にならえば2024年内に発売されるはずだから、2023年内に公式から何らかの発表があってもおかしくないはずなんだけどそういった発表は何も無い。次世代機に関するリーク情報も流れてくるが、このリーク情報は公式が否定している。
加えてこの時期に特別デザインの本体を販売するという動きもあり、ますます次世代機が発売されるのは一体いつなのかとゲーマーたちはやきもきしているというわけだ。
そんななか、Switchのソフトをこれからも意欲的に展開していくことが任天堂から公式から明言された。2023年11月8日に開催された第2四半期決算説明会/ 経営方針説明会のプレゼンテーション資料によると次のとおり。
Nintendo Switchは2024年3月から8年目に入りますが、これまでのプラットフォームサイクルにとらわれることなく、今後も新作タイトルの展開を続けていきます。
「プラットフォームサイクルにとらわれない」と公言していることから、Switchは前人未到の9年目に突入する可能性が出てきてしまった。任天堂はなぜここまで頑な、かつ強気にSwitchをプッシュするのだろうか。
Switchの競争相手であるゲーム機のPS5とはハードの方向性が180度異なる。PS5が完全な据え置き機である一方で、Switchは据え置き機としても携帯機としても遊ぶことができ、文字通り遊び方をスイッチできるというハードだ。
しかしその引き換えにグラフィック性能はPS5に比べて大きく劣ってしまっているが、任天堂は特にデメリットとは捉えていない。
「我々にとって最も重要なのは本体やデバイスの中身(性能)ではなく、コントローラーを手にしゲームを始めたとき“画面で何が起きるのか”ということです。」
PS5が高品質なグラフィックによるリッチな体験を売りにしている一方で、あくまでもSwitchは手軽さやコンテンツで勝負するという姿勢がこの発言からうかがえる。
よくよく考えてみれば俺たちだって、昔はドット絵やローポリゴンのゲームでも楽しめていた時代があったはず。
俺も昔はよく遊んでいた「時代超える名作」と呼ばれるゲームは令和になった現在でも面白い。もちろん古臭さはあるが、長く愛されるゲーム達にはスペックに依存しない面白さがあった。
しかし昨今4K、120fps、レイトレーシングという物差しだけでゲームの良し悪しを判断しているに人が増えているように感じる。
4Kだからゲームが面白いのだろうか、答えはNoだ。
技術の進化に伴ってグラフィックはどんどん進化していく。より精細でリアルな表現が可能になり、現在ではほぼ実写と変わらないレベルの映像表現も可能になった。
だけどそれはあくまでも付加価値であって、ゲーム本来の価値は「遊び」であることを忘れてはいけない。ゲームにハイクオリティのグラフィックは必ずしも必要ではないのだ。
2023年の今でもスーパーファミコンや64のゲームが十分楽しめるのは「遊び」を大切にして作られたゲームだからだろう。その積み重ねこそがスペックが不足していると言われながらもSwitchが戦い続けられる理由の一つではないだろうか。
任天堂の強みは自社が権利を有するキャラクターの圧倒的な人気と知名度にもある。
任天堂といえば何を想像するだろうか。
軽く挙げただけでも任天堂を象徴するようなキャラクターがこれだけいる。特にマリオとポケモンは世界中を探しても知らない人を探すのが難しいくらいだ。
誰もが知るテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」には「スーパー・ニンテンドー・ワールド」という、マリオの世界をそのまま再現したエリアが存在する。
ターミネーターやスパイダーマン、ハリー・ポッターといった世界に名を轟かせる作品たちの中に、いちゲーム会社のキャラクターが肩を並べているのだ。
2016年のオリンピック閉会式では、安倍元首相がマリオのコスプレをして登場した事もある。
ゲーム好きが集まるわけでもないスポーツの祭典で、あの格好を見た全ての人が「マリオ」だと理解できるということがその認知度の高さを物語っている。
任天堂の看板キャラクターはマリオだけではなく、他にもリンクやカービィといったキャラクターが存在しており、それらの登場するゲームのジャンルはアクションから育成、シューティングまで幅広く展開されている。
ジャンル | 作品 |
2Dアクション | マリオ 星のカービィ |
3Dアクション | ゼルダの伝説 |
育成 | ポケモン |
シューティング | スプラトゥーン |
スローライフ | どうぶつの森 |
ストラテジー | ピクミン |
このように基本的なゲームジャンルは一通り押さえていて、そこに1人は必ず看板キャラクターを用意しておくという抜かりなさ。
任天堂は子供や女性などライト層の囲い込みが上手い。特にオンライン対戦ゲームであるスプラトゥーンはFPS、TPS界隈に一石を投じた。
APEX LEGENDSやCall of Dutyといったシューティングゲームは銃で撃ち合う殺伐としたゲームジャンル。硬派なイメージで生粋のゲーマーが遊んでいるものというイメージだが、スプラトゥーンは可愛らしいキャラクターがインクを塗り合うというもの。
インクを塗り合い「塗った面積が多ければ勝ち」というルールを採用しており、これは敵を倒した数で勝敗を決めるシューティングゲームの常識を破ったものだった。
ゲーム内には他にもルールがいくつかあるものの基本的なルールは「塗ったら勝ち」という極めてシンプルなものなので、対人ゲームが苦手な人や子供でも楽しめるものとなっている。
[任天堂HP]ニュースリリース「Nintendo Switch向けソフト『スプラトゥーン3』の国内販売本数が発売後3日間で345万本を突破」を掲載しました。https://t.co/q1qpaEbF8P
— 任天堂株式会社(企業広報・IR) (@NintendoCoLtd) September 12, 2022
そんなスプラトゥーン3は発売後わずか3日間で345万本という売り上げを叩き出した。シューティングゲームは玄人向けというイメージを払拭した。
子供はもちろんゲームが苦手な人や忙しくてゲームをあまり遊べない人でも、気軽にサクッと楽しめるシンプルなゲームデザインと可愛らしいキャラクターによって、幅広い年齢層にアピールすることに成功した。
当然の話だがここまで話したゼルダやマリオといった任天堂のキャラクターのゲームは任天堂のゲーム機でしか遊べない。
任天堂の売り上げTOP10は全て自社ソフト。人気キャラクターの面白いゲームがひとつのハードでしか遊べない。そりゃ当然売れる。
これだけでもかなり強力な武器になるが、Switchにはまだ付加価値が残っている。
Switchの一番の特徴は画面とJoy-Conを切り離せるというところ。
取り外したJoy-Conはそれぞれ独立して使用することができるし回転や傾きを感知するセンサーが搭載されているため、Joy-Conを振ったり傾けたり、自分の体に装着したりして体感的なゲームができるのがSwitchならではの特徴といえる。
ゼルダの伝説ではそれぞれのJoy-Conを両手に持ち、剣と盾に見立てて操作する。Joy-Conを斜めに振ればリンクも剣を斜めに振ったり、弓を引くような動きで矢を放ったりというリアルな動きで冒険を楽しめる。
マリオカートではJoy-Conのひとつを横持ちすることで操作が可能。ハンドル型のアタッチメントも販売(1480円+税)されており、本当に車を運転しているようなプレイングもできる。
リングフィットアドベンチャーやNintendo Switch Sportsは、Joy-Conを体に装着することでジャンプやスクワットといった体の動きを認識して、実際にそのスポーツや運動と同じ動きをして楽しむことがでにる。
体感型ゲームというとVRも挙げられるけど、これがいまいち流行らない。
俺も初代PSVRを持ってたけど、とにかく接続が手間だしゲームを始めるまでが煩雑すぎる。ゴーグルは重いし汗はかくしその日の体調次第では酔ってしまうため遊ぶこと自体が億劫になってしまっていた。
しかもVR機器は高い。平気で5万〜15万くらいかかるため敷居がかなり高い。
価格 | |
PSVR2 | 69,480 |
Meta Quest 2 | 47,300 |
Meta Quest 3 | 74,800 |
Meta Quest Pro | 159,500 |
しかもPSVR2はあくまでも周辺機器という扱いのため単体で使用することができないため、ゲームを遊ぶためにはPS5本体が必須となる。
PS5の新品価格は通常版が66,980円とデジタルエディションが59,980円なので、PS5でVRを遊びたければ最低でも13万ほどの出費が必要。
これではよっぽど遊びたいタイトルがない限り買おうと思えないし、仮にあったとしても一本のゲームソフトのためにこんな大金を払える人間が一体どれくらいいるのだろうか。
今や完全に廃れてしまったが、一応PlayStationにもPS MoveというWiiリモコンのようなコントローラーがあった。当時の価格は一本5,478円と少々お高め。
ゲームによってはこれが2本必要となるため、コントローラーだけで10,000円弱の出費となる。多くの場合、そのソフトが遊びたいから必要な周辺機器を買うのだが、1つのソフトのために追加でこの価格は痛すぎる。
このようにPlayStationでは体感型ゲームを導入するまでのハードルが高いためそこまでの賑いを見せなかったが、Switchは体感型ゲームを遊ぶためのJoy-Conがはじめから本体に付属しているため、Joy-Conを取り外すだけですぐに楽しめる。
ゲーム機本体と別に周辺機器を買う必要がないため遊ぶまでの手間が殆ど無く、お財布にも優しいためソフトに手が伸びやすいのだろう。
PS5は最先端の映像体験や圧倒的な没入感を売りにしており、硬派でフォトリアルなゲームが多く一人でじっくり遊ぶものがほとんど。
任天堂ハードのCMには子供や女性が登場していたり家族団欒のシーンがあったりと、PS5とは想定しているターゲットの違いがよく分かる。
任天堂ゲームにはポップで可愛らしい印象を受けるものが多く、普段ゲームをあまり遊ばない人でも気軽に楽しめるのが売りだ。
このように両者のターゲットは異なっているため競合する事がなくうまく棲み分けができている。
PS5の売りは最先端の技術で作られたリッチなゲームをじっくり味わえること。サードパーティ各社は持てる技術の粋を集め、世界を見据えた最先端のグラフィックのAAAタイトルをPS5に投入する。
その性質上PS5には映像美や没入感に重きを置いた1人でじっくり遊ぶゲームが多く、みんなでワイワイ遊ぶSwitchとの違いが如実に出ている。
逆に言えば最先端のゲームが性能が控えめな任天堂ハードに発売されることは無いが、反対にPS5にはキャッチーなキャラクターのライトなゲームが発売されることはあまりない。
現行世代においてSwitchはグラフィックで勝負していないからこそ、ライバルであるはずのPS5と競合せずお互いの強みを潰しあうことがないため、ゲーム機としての独自性が高まっていると言える。
とはいえSwitchが8年目に差し掛かった今、性能不足になりつつある事は否定できない。
残念ながらポケモン最新作のスカーレット、バイオレットではフレームレートが安定しない箇所が多く、特に処理の重くなる水辺ではゲームがまともに動作しなくなるレベルで重い。(動画の9分あたり〜)
このように現行のソフトでさえ動作は安定せずバグも多数報告されたり処理落ちが発生してしまっているのを考えると、さすがにSwitchの限界を感じてしまう。
仮にもし任天堂がこのままスペックを重視しない姿勢を続けると、サードパーティが参入しづらくなってくるだろう。
ポケモンの処理落ちとサードパーティに何の関係があるの?と思うだろうけどもう少し聞いてほしい。最近ではサードパーティはSwitchで旧作のリマスターを発売する動きがある。
などなど、これまでの任天堂ハードでは馴染みのないタイトル達が軒を連ねている。
ここから見るにSwitchの性能は「PS3以上PS4以下」といったところで、このあたりのソフトのクオリティを少し落として移植されているため、この先も旧作のリマスターや縦マルチ展開でサードパーティを巻き込むためには、Switchの次世代機の性能は最低でもPS4並みでないと厳しいだろう。
任天堂のソフトの評価は極めて高くサードパーティのAAAタイトルとも戦える力が十二分にあるとはいえ、ゲームハードとして成功するためにはどうしてもサードパーティの力を借りなければならない。どれだけ魅力的なIPを揃えていようとサードパーティに見放されたら終わりなんだ。
ハードスペックの差が開くとサードパーティの参入が難しくなり、任天堂の自社ソフトやスイカゲームのようなアプリゲーム、物議を醸したファイナルソードのようなB級タイトルのインディーゲームしか残らない。
そうなるとどうなるだろうか…。サードパーティに恵まれなかったWiiUが爆死した事を考えれば結果は明白だ。
次世代機の話になると必ず挙げられるのは後方互換機能だが、ここまで巨大な市場を形成したSwitchのユーザーを切り離すのは流石に悪手だ。
ゲームカードがそのまま差し込めるのかダウンロード版限定で次世代機に引き継げるのか、どのような形になるかは分からないが確実にSwitchとの互換性は持つだろう。
冒頭でも触れた通り任天堂はこれまでのプラットフォームの世代交代サイクルにとらわれないと発言しているため、2024年内に次世代機が発表、発売される可能性はかなり低い。
そして発売時期を予想するにあたって重要なのはローンチタイトル。マリオ、ゼルダ、ポケモンといった主要タイトルの続編がどのタイミングで出てくるかだが、やはり大本命は3Dマリオかゼルダの伝説の新作ソフトになると思われる。
ただゼルダの伝説は今年発売されているため、Switchの発売以来音沙汰のない3Dマリオの新作が次世代機のローンチタイトルになるのではないだろうか。
それにゲームキューブで発売されたピクミン1、2がSwitchに移植されたように、任天堂が過去の遺産をそのままにしておくとは思えない。特にWiiUの埋もれてしまったソフトは活用しないわけがないので、ゼルダの伝説風のタクトHDとトワプリHDのSwitchへの移植は個人的にすごく楽しみ。
いずれも希望的観測ではあるが、何はともあれSwitchの値下げが先だ。もしこのまま値段が下がらないまま次世代機が発売されようものなら、価格は確実に4万は超えてくる。ライト層や子供をターゲットにする以上4万越えは厳しいところだ。
ここまで長々と話してきたので、最後に今回の話をまとめると
今回じっくりと考えてみて、任天堂の良さを再確認する事ができた。 こんな素晴らしいゲーム達をリアルタイムで遊べる時代に生まれたことに感謝しかない。
ゼルダの伝説の移植と次世代機の発売を楽しみにしつつ、今回の話は終わりたいと思う。
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